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聖歌は生歌

聖歌は生歌

オルガン(伴奏1)

オ ル ガ ン ( 伴 奏 1 )

 今回は、『典礼聖歌』のオルガン伴奏について書きたいと思います。今までも書きましたが、ここでは基本的に、パイプオルガンを考えます。必要に応じて、リードオルガン(ハルモニウム)も加えます。また、鍵盤は二段鍵盤を基本に、必要があれば三段鍵盤も考えてみます。

 さて、(楽器編)でも書いたように、オルガンは、二段鍵盤のうち、下の鍵盤が強い音が出るので、
下の鍵盤では
  • 式次第の会衆の答える部分
  • 答唱詩編形式の歌の答唱句の部分
  • 賛歌一般
上の鍵盤では
  • 司祭に音を出すとき
  • 答唱詩編形式の歌の詩編唱
  • ミサ賛歌の先唱
ペダルでは下の鍵盤で引くときのバスの部分
を弾きます。詩編唱の部分など、歌唱する人数が少ない場合には、ペダルを入れると、重くなりすぎますので、先唱の部分ではペダルを入れないようにします。

 ところで、『典礼聖歌』では、細かいニュアンスが必要ですから、電気オルガンのように、すべての鍵盤で、強弱がつくとよいのかもしれませんが、パイプオルガンでは、強弱がつくのは、シュヴェルボックスに入った上の鍵盤だけです。ですから、ミサや教会の祈りで、参加する人数が少ない場合には、上の鍵盤だけを使うのも一つの方法でしょう。このような場合にでも、ペダルを入れたいときは、上の鍵盤ペダルをコッペル(カプラー)して使いましょう。ただし、コッペルしても、ペダルの強弱は付けられないので、16’だけ、音が強いまま残りますので、16’はなるべく音の大きさが小さい、たとえばSubbasだけにしたほうがよいでしょう。それぞれの楽器で、ストップが違いますので、その、楽器のストップでふさわしいものを探してみてください。リードオルガン(ハルモニウム)の場合は、ふいごに送り込む空気の量でも強弱をつけることができますし、余韻を残すこともできますので、それを上手に生かしたいものです。

 以上が、伴奏の基本です。個々の、例については、ホームページに書いてゆきますので、そちらをごらんください。

 次に、前奏ですが、二段鍵盤の場合は、下の鍵盤で、手(マニュアル)だけで、前奏をとります。三段鍵盤の場合は、
  1. 主鍵盤(ドイツ系オルガンは真ん中・フランス系オルガンは下の鍵盤)で答唱句や賛歌を
  2. 三段目で詩編唱を
  3. ポジティフ鍵盤(ドイツ系オルガンは一番下の鍵盤、フランス系オルガンは真ん中の鍵盤)で前奏をとる
という方法もあります。このようなオルガンの特徴を、覚えておくことも、オルガン伴奏者の大切な務めです。

 楽器の特性を知ることや、よい伴奏ができることも大切ですが、何よりも大切なことは、自らが、オルガンで会衆や司祭の祈りを支えるということではないでしょうか?自らの演奏を目立たせることではなく、司祭と会衆の祈りを支え、典礼を豊かな祈りとするためには、オルガン伴奏者自身が、まず、神のことばを深く味わい、祈りを深め、それを、共同体の中で共有することではないかと思います。オルガン伴奏者は、オルガニストである前に教会共同体のなかで、共同体の一人として祈りをささげることが必要なのです。


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